あなたの会社は大丈夫? インサイド・セールスが陥るワナ!?

 

少人数から成果を上げられ、生産性向上に寄与するインサイド・セールス。
フィールドセールス主体の従来型営業で行き詰まりを感じる企業や、人材の絶対数が足りない中小企業にとってインサイド・セールスの導入は一つの突破口になり得ます。

一方で、インサイドセールスの役割をはっきりさせないまま導入してしまうと、効果を上げられずに終わる…
というのも、よくある話です。

ある大手IT企業で起きたインサイド・セールス運用の失敗事例を見てみましょう。

 

A社における失敗

A社のケース

自社営業および技術担当が販売会社と連携しながら自社製品を拡販する手法を採用していた
企業向けソフトウェアに強みを持つが、クラウドサービスの展開に後れをとる

→新規クラウドサービスの提案をインサイド・セールスで行うことに

 

既に売り上げの柱を確立していた業界大手のA社は、業界の新たな潮流に合わせて新規サービスの販路開拓を迫られます。

サービスの提案を任せられたインサイド・セールス部門は10 年以上の実績があり、顧客との関係、既存部署との連携もうまくいっていました。
でも…

 

実際に起きたこと

全体の営業計画がうまくいかず、マーケティング、営業サイドからインサイド・セールスへのプレッシャーが強まる
顧客ニーズの発掘を続けるか、カタチになりそうな案件を深く進めるか、方針が不明確になる
施策への評価にバラつきが生まれ、新サービスの営業、マーケティングのプロセスを確立することができなかった

実績を持つインサイド・セールス部門が、強みを生かせず、結果として全体の営業計画は失敗に終わりました。
いったいどうして、こんなことに…

 

なぜ失敗したのか

A社のケースにおいて見直すべき点は、例えば既存製品と新サービスとでセールスにおけるノウハウ不一致などでしょうか。

あるいは、サービスの説明不足でしょうか。

いえ、そのようなことよりももっと基本的なところで、A社はミスを犯していたのです。

 

実のところ、A社における過ちの元は営業とインサイド・セールスの相互不理解というシンプルな一点に集約されるのです。
相互不理解とはつまり、それぞれが求めるゴールについての行き違いがあったということです。

ここでインサイド・セールスの機能について振り返ってみます。
A社において実践されていたインサイド・セールスの手法は顧客のニーズを粘り強く聞き出し、顧客と自社の関係を深めることに力点が置かれていました。
マーケテイングでいうところのリードナーチャリング、見込み顧客の育成です。
実際、ニーズの発掘と提案に強みを持っていたからこそ、10年以上の実績を積み上げていたのでしょう。

一方、上述のケースにおいては新規サービスの立ち上げ、言ってみれば新たな売り上げの柱を立てられるか否かという点に各部署の関心が集まります。
A社においては、特に営業部門が利益目標を強く意識し、売り上げにつながる案件数こそを求めました。

インサイド・セールスがもたらす成果は自社に対して好感を持つリードです。
しかし、営業が関心を持つのはリードではなく、現にリードが案件につながるかどうかなのです。

結果、営業とインサイド・セールスが互いのゴールを評価せず、施策への評価がブレたまま、成功するためのプロセスを形成することが出来ずに終わったのです。

 

リードと案件は別物と考える

リードと案件の定義を曖昧にとらえる企業はA社に限りません。
実際、リードが具体的な案件に変わる瞬間を区切ることは難しいです。

顧客がどの程度乗り気であるか計る手段は、ある種のさじ加減の元で決められているのも珍しくありません。

しかしながら、インサイド・セールスを有効に活用するなら、顧客の関心をステージに分け、システマティックに管理しなければなりません。

リードを育てる時期には顧客のニーズを見つけるための幅広い情報提供が必要でしょう。
一方、案件においては、選択肢を示して購入を促すための情報提供と交渉が必要です。

このように、リードと案件では、顧客のフォローする内容や、その優先順位が変わるのです。
このことを各部署が理解し、互いの役割を把握していなければ、A社のような失敗例が導かれるのです。