マーケティング主導で大丈夫?なインサイド・セールス ~解決編~

前回記事の解決編です。
伸び悩む売上にテコ入れするため、インサイド・セールスを導入したO社。
しかし、マーケティング主導で、インサイド・セールスの特性を無視した運用をおこなったために成長が鈍化してしまいました。
営業をアウトソーシングしていたO社は、失敗をきっかけに自社で営業組織を立ち上げます。
また、再出発にあたって、営業のエキスパートをマネージャーに採用し、現状の問題点の洗い出しを一任しました。
その結果、次のような構造的問題が明らかになったのです。

O社の売上が伸び悩んだ原因

営業の現場からのフィードバックシステムがなかった

現場の実態を把握することは、素早く適切な施策を実行するための基本ですが、O社では複数の要因がフィードバックを阻害していました。
細かなKPIの設定が、現場を委縮させていた
請負先と請負元という立場の不均衡が、ベンダーからの率直な申し入れを難しくしていた
管理リソースを置いていなかったため、何が起きているか把握されていなかった
このため、組織の拡大に伴い業務フローが複雑化し現場が疲弊していたにもかかわらず、その現状が上層部に伝わっていなかったのです。

KPIの設計ミスとアプローチの誤り

O社が善後策として打ったはずの細かいKPI設定は、肝心な部分が抜け落ちており、インサイド・セールスに適用するには不十分なものでした。
また、リードの管理に問題があったために、KPIに対する適切なアプローチが採れていませんでした。
KPIの設定がコンバージョンに至るまでのフローのみだった(リードの一日の処理件数、リードから持ち込まれた案件数、案件成約率 )
滞留するリード、1人あたりが抱えるリードの数が増え続けていた
成約まで時間のかかるリードの優先順位を低くして、リードごとのポテンシャル(大口顧客になる可能性)を無視してしまっていた

目先の目標に囚われ、時間をかけて「顧客を育てる」というインサイド・セールスの強みが失われてしまったのです。

新たに採用された営業マネージャーの改善策

上に挙げた問題に対し、営業マネージャーはインサイド・セールスに合わせて仕組みをチューニングしました。
単なる数字としてのKPIを、インサイド・セールスが機能している具合を評価する指標へと変える。
現場からの情報を拾う仕組みを作る。といったことです。
リードのポテンシャルを評価して優先順位を決める
成約までの時間をリードのポテンシャルごとに設定
一人当たりが抱えているリードの件数とリードのスコアを組み合わせてワークロードを評価
インサイド・セールスからマーケティングへフィードバックをおこなう仕組みの構築

改善策の効果

インサイド・セールスのモチベーションの向上
マーケティングおよび経営陣に対して、方策と効果が見えやすくなった
コンバージョンレートが改善された
1案件当たりの売上金額が大きくなった
顧客満足度も向上したため、契約の継続率が向上した
このように、O社のインサイド・セールスは見事に機能を果たすようになったのです。

学ぶべきポイント

マーケティングはKPIに囚われがちな部門です。
特にデジタルマーケティングなどでは、広範かつ細かいKPIが設定できるためにKPI優先の業務フローとなってしまうのも無理ありません。
しかしながら、インサイド・セールスを導入するならば、目先の目標のみならず、顧客との持続的な関係構築も視野に入れるべきです。
リードは売上に寄与するのみならず、会社にとって将来的な財産でもあります。
対話に時間をかけ、リードとの深い関係を築くというインサイド・セールスの強みを理解し、マーケティングとのシナジーを生む仕組みづくりが大切になるのです。